【新唐人2014年7月29日】大型の台風9号「ラマスーン」が中国南部を襲ってから1週間以上経ちましたが、被災地では今なお、救援物資が不足しています。そこで26日午前、被災者1000人が当局に抗議しに行ったところ、職員はパソコンでわいせつな映像を見ていました。怒った被災者が破壊行為を始めたところ、当局はただちに武装警官数百人を派遣しました。
6月以来、中国南部は大雨が頻繁に降り、長江の中流と下流および西南地区では深刻な洪水被害が起きています。
7月19日の早朝、台風9号の「ラマスーン」により、広西チワン族自治区の北海市とその周辺が深刻な被害を受けました。トンキン湾にある北海市の潿洲島(ウェイジョウとう)は、中国で最大で最も美しく、かつ最も若い火山島です。国の4級観光地点に定められ、人口は1万6000人ほどです。
しかし今回の台風の襲来によって、島の建物や船が壊れ、バナナの木もことごとく倒れました。停電や断水も起きています。
北海市潿洲島の住民
「バナナ林が全滅しました。悲惨です。簡素な家屋は全部壊れました」
サイト「中国ジャスミン革命」の報道によると、台風が去って1週間経ちますが、被災地ではいまだに停電と断水が続き、携帯電話の電波も安定しません。島の家屋8000棟が被害を受けましたが、当局は1世帯当たり数本のミネラルウオーターと、一部の被災者に1世帯当たり瓦100個とセメント1袋を配っただけで、ほかの救援物資は何もないそうです。
農村民宿の主人 林さん
「ほぼ全島で停電・断水しています。毎日 貯水池で体を洗い、井戸の水をくんで飲んでいます」
島は現在、大量の建物を再建しなければなりませんが、地元当局は、「申請が通らない限り、セメント・木材・瓦などの建材を私的に島に運ぶことを禁じる」と発表しました。これを受けて被災者1000人は抗議をするため、26日午前、「潿洲島管理委員会」に押しかけ、怒りのあまり破壊行為を始めました。
北海市潿洲島の住民
「当局の許可がないと、エアコンや全ての原料を島に持ち込めません。しかし許可が下りるまで多くの審査があります。だから襲撃事件が起きたのです」
写真によれば、現場には物が散乱し、執務室や厨房なども襲撃されています。ガラスはすべて割られ、「中共北海潿洲島管理委員会」の看板が外されて地面に落ちています。
被災者が建物に入った時、職員は慌てて逃げたため、パソコンを消す暇がありませんでした。彼らはなんと執務室でわいせつな映像を見ていたのです。これに激怒した被災者は、地元の博物館や観光局などでも抗議し、多数の車をひっくり返しました。
このあと、当局は少なくとも400人の完全武装した武装警官を現地に送りました。中には機関銃を手にした武装警官もいます。抗議に参加した被災者は捕らえられた模様です。最近、大陸で自然災害が相次いでいますが、当局の救援不足や腐敗がしばしば暴露されています。
21日、官製メディア「新華社」は台風9号により、中国南部の被災者十数万人が酷暑と断水・停電の中、救援を心待ちにしていると報道しました。にもかかわらず救援物資の中には、数千枚の綿入り布団とジャケットがありました。記事の筆者は、「気温30度を超える南方の被災地に綿入り布団を送るなど、一体、誰が考え付いたのか」とあきれています。
また別の被災地、海南省のある地域では、救援物資としてパンが配られました。生産日は7月1日で保存期間は半年とありますが、すでに青緑色のカビが生えています。
この情報を暴露した剛峰さんは、一体、どこの誰がこんなパンを購入したのかと批判しました。保存期間が半年にもかかわらず20日もせずに、真空の袋の中でカビが生えていたからです。
最新の情報によると、被災者の抗議を受けて、地元当局は「私的な建材の輸送禁止」を取り消すという通告を出しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/07/28/a1126067.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/佐藤 映像編集/李)